特集 市町村と保健所 それぞれの事情 相互支援で保健活動を進めよう!
―市町村と保健所・連携の実践例➁―在宅療養促進に向けた町と保健所の取り組み―訪問看護ステーション広域整備への戦略
堀井 礼子
1
,
工藤 裕子
2
1北海道稚内保健所(宗谷保健福祉事務所保健福祉部保健福祉企画課)
2枝幸町保健福祉センター町民福祉課健康管理係
pp.314-319
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100124
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事業の概要と保健所保健師が果たした役割
地域の概要
北海道稚内保健所管内は1市8町1村からなり,利尻・礼文島を含んだ日本最北に位置する地域で,管内市町村は生活圏ごとに稚内・離島・南宗谷の3ブロックに分かれています。南宗谷地域は管内の南部に位置し,浜頓別町・中頓別町・枝幸町・歌登町の4町からなります。4町の総面積は約1800km2で香川県と同じくらいの広さです。また,人口は約1万8000人(65歳以上人口比は23.3%)です。
各町には自治体病院が設置されていますが,医師・看護師などの医療従事者が日常的に不足しており,在宅療養を支える医療系サービスが整備されていないのが実情です。また,介護保険導入後も民間サービス事業者の参入が少なく,居宅サービスの推進が遅れてきました。この結果,介護保険第1号被保険者1人あたりの居宅サービス費用は全国・全道に比べ著しく低く,その反面,1人あたりの施設サービス費用が格段に高く,また平均入院日数も長いという施設依存型の地域です。
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