特集 公衆栄養のトピックス
健康日本21と公衆栄養
小林 章雄
1
,
酒井 映子
2
1愛知医科大学医学部衛生学教室
2名古屋女子大学家政学部
pp.93-100
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902447
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健康日本21は,すべての国民が健康で明るく元気に生活できる社会の実現を図るため,壮年死亡の減少,健康寿命の延伸を目標とした新しい国民健康づくり運動である.健康日本21の展開は,国が2000年から2010年(平成12年から平成22年)までの期間を決めて九つの分野で目標を設定し,地方では独自の計画を策定,周知し,情報や活動によって生活習慣の改善を支援する形となる.
栄養・食生活はこうした九つの分野のうちの一つではあるが,多くの生活習慣病との関連が深く,また,生活の質との関連も深いものである.そこで,目標の設定に際しては,健康・栄養状態の是正を図るとともに,国民すべてが良好な食生活を実践できる力を十分に育み,発揮できるような平等な機会と資源を確保することを目的とし,1)「栄養状態」をより良くするための「適正な栄養素(食物)摂取」のレベル,2)適正な栄養素(食物)摂取のための「行動変容」のレベル,3)個人の行動変容を支援するための「環境づくり」のレベルの三つの段階に分けて具体的な目標値が設定されている.全体で14項目からなる目標値のまとめを表1に示し,以下,これらの公衆栄養学的意義について述べる.
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