調査研究 日本とフランスにおける看護婦の勤務比較・2
看護婦の勤務先の変更と昇進
Mryse Petit
1
,
原山 哲
2
1キュリー病院
2パリ高等師範学校
pp.616-618
発行日 1989年10月25日
Published Date 1989/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908705
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はじめに
一般的に,欧米社会と日本社会とを比較してみると,勤務先の変更と昇進との関係は,職業経歴の形成において,対照的であるといわれている.すなわち,欧米社会においては,勤務先の変更は昇進にとって妨げとはならず,むしろ必要とされているが,他方,日本社会においては,勤務先の変更は昇進にとって妨げとなることが多く,同一の組織(企業,病院)にとどまり,年功を積むことが必要とされるといわれている.
いわゆる「専門職」の価値からすれば,勤務先の変更が容易であること(職業の特定の組織からの独立性),昇進等において年功よりは能力,資格が重視されることが強調されるであろう.プロフェッショナリズムは,日本の文化,社会のコンテキストにおいてよりは,欧米の文化,社会のコンテキストに根付いているものなのであろうか.
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