ミネルバの灯(ひ) 看護と人間についての普段着の思索・12
現代社会がつくり出しているもの
久保 成子
1
1善隣基督教会付属尾竹橋准看護学院
pp.848-851
発行日 1981年12月25日
Published Date 1981/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907629
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幼い子供が泣いていてどうにもなだめられないと,乳母はよくその子の性質や好き嫌いについて,すこぶる妙をえたことを考える.遺伝までひっぱり出して,お父さんのときからもうその素質があるなどと言う.こんな思いつきの心理学をつづけているうちに,乳母はピンを見つけたりする.ピンがすべての原因だったというわけだ.(中略)
人間は手に負えないほど悪いなどとは断じて言ってはならぬ.ピンをさがすことだ.—‘名馬ブケファロス’より抜粋(アラン著作集“幸福論”より)
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