Japanese
English
特集 睡眠と精神医学:「睡眠精神医学」の推進
現代社会とリズム障害
Circadian Rhythm Sleep Disorders in Modern Society
小曽根 基裕
1
,
小幡 こず恵
1
,
伊藤 洋
1
Motohiro OZONE
1
,
Kozue OBATA
1
,
Hiroshi ITOH
1
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Circadian rhythm sleep disorders
,
Shift work
,
Time zone change syndrome
,
Insufficient sleep syndrome
Keyword:
Circadian rhythm sleep disorders
,
Shift work
,
Time zone change syndrome
,
Insufficient sleep syndrome
pp.479-486
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100991
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はじめに
現代社会の24時間化により,日本人の睡眠パターンが大きく変化している。産業は多様化し,国際化や情報化も伴って,夜間勤務者や交代勤務者が増加している。そして,仕事や旅行で海外を訪れる人が増え,時差ぼけの悩みを抱える人も多い。また,一般国民においても,インターネットやコンビニエンスストアなどの普及により,夜型化した生活リズムになっている。これらの生活習慣の変化により,①睡眠時間の不足と②睡眠覚醒リズムの不規則化という2つの観点から健康問題が生じることになる。
昼夜のリズムに逆らった生活を送ることは,睡眠障害を引き起こすのみならず,日中の作業能力の低下による交通事故や産業事故,また気分障害をはじめとした精神疾患の発症,また身体疾患の悪化などさまざまな個人的,または社会的問題を生じる。さらに大人の生活習慣の変化は,成長発達段階にある未成年者の睡眠習慣に大きな影響を与えている。現代社会にみられる概日リズム睡眠障害について時間生物学的な概要を述べ,その対処法について紹介する。
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