Ⅲ．看護婦教育所—（3）看護婦教育所における生徒の生活状況

　明治のころの教育所の生徒がどのような生活を送っていたかを，看護婦教育所規則と，卒業生によって書き記されたものなどから，たどってみたい．

　看護婦教育所規則の第26条から第32条は，生徒の生活に関する条文であり，生徒の服装や，疾病に罹患した場合の治療の受け方，生徒の素行不正や看護婦の適正について，あるいは看護婦として適さない者の退学について記している．また第29条は，生徒の1日の行動について，起床時間（午前5時）から臥床時間（午後10時）までについての規則であり，そのほかにも，来訪者の接待や門限について，また居室の清掃について定めた条文などがみられる．