私の病棟日誌・6
等身大として付き合う
日下 隼人
1
1武蔵野赤十字病院小児科
pp.653-656
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907147
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私は数学が不得手であった,‘あった’と過去形で言ったが,今も不得手なのだ.ただ今のところ,私はそれほど数学を必要としていないので,過去形を使ってもよいだろう.でも今日の医学では,数学や物理学の知識を十分使いこなせない限り,研究はやり切れなくなっている.
どうして数学が不得意で医学部へ入ったのか,と思われるかもしれないが,私たちが大学へ入るころは,勉強のよくできる人たちは理・工学部へ行き,医学部へ来る者といったら,文学部と二またかけたり,それほどではないにしても小説ばかり読んでいたり,高3のくせにクラブに没頭したりといった変なのばかりであった.
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