成人看護学各論の授業展開
ⅩⅠ.感覚器—耳鼻咽喉疾患患者の看護
高木 永子
1
,
藤原 泰子
1
1東邦大学高等看護学校
pp.309-317
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907096
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はじめに
耳鼻咽喉疾患患者の看護の指導要点は,耳鼻咽喉領域に障害をきたした患者を身体的側面のみならず社会生活を営んでいる対象として把握し,看護上の諸問題を判断・解決できる能力の育成にある.殊に本疾患患者の看護の指導は,従来ややもすると‘局所的疾患とその看護’の枠内に留まる傾向にあった.本検討は,その傾向を是正し,聴覚,嗅覚,味覚などの感覚諸機能ならびに発声機能に障害をきたした人に起こりうる日常・社会生活上の諸問題を明確にし,その援助のあり方の追求を主な課題とする.この課題は,‘眼疾思患者の看護’(拙稿,本誌Vol. 17 No. 12参照)ならびに‘皮膚疾患患者の看護’(拙稿,本誌Vol. 18 No. 2参照)と併せ検討することにより感覚器疾患患者の看護として総合的に一層深く追求することができるため必要時,これらの学習をフィードバックし展開する方針である.
展開順序は,指導内容の重複・脱落を防止するために個々の耳鼻咽喉疾患患者の看護の指導以前に患者の多くに共通する看護を総括指導する.すなわち,まず患者の主な諸問題とその解決に関する視点を‘看護の特殊性’とし,続いてその特殊性をふまえ援助するに必要な基本的知識・技術を‘看護上の要点’として配列する.
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