私のエンマ帳
『夏休み』の哀愁
徳永 清
1
1明治学院大学広報室
pp.44-45
発行日 1971年8月25日
Published Date 1971/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906500
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盛装してサウナ風呂にはいっているような,すごい猛暑炎天つづきの夏の盛りに,必ずやってくる「原爆の日」—せつない思いで胸がいっぱいになる私の夏休みの,それはどうしても避けられない傷痕の1日—である。
ああ,今年も,また,その日が確実にやってくる。私が,この歳まで結婚しないでいるひそやかな理由のひとつには,やはり,あの日のことがつながっているのだ。これは,私だけの哀しい秘密。
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