特集 現行看護教育における諸問題
看護教員養成課程発足の事情とその現状および問題点
木場 冨喜
1
1熊本大学教育学部看護教員養成課程
pp.4-8
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906314
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発足の事情と経過
昭和41年4月,熊本大学教育学部に設置された看護教員養成課程は,その設置理由として「特別教育の振興に伴い主として高等学校衛生看護学科の授業を担当する専任教員を養成するものである」となっており,大綱は次のとおりである。入学資格は高校卒,修業年限4年,入学定員20名。卒業後の学士号は教育学士であり,資格として保健中学1級,高校2級,養護教諭1級(ただし法的措置が決定すれば看護教員高校2級がとれる),看護婦国家試験受験資格が得られることになっている。
高等学校衛生看護学科は,昭和39年4月に発足したが,その成果を期待するためには専門教育にたずさわるにふさわしい教員の要請がおこってきたことは当然のことであった。看護教育を学校教育法に基づく正規の学校でということは,ながい間の看護関係者の悲願であったとも言える。そのような社会的要請のなかから高校衛生看護学科ができ,それができたことによって必然的に大学4年制の看護課程ができた。もちろんそれは看護界のもつ複雑な問題をそのままにはらみながらも,制度の上ではある意味で順調に正規のルートにのったとも言えよう。そのことは今後の問題解決の見とおしも含めて,きわめて大きな意味をもつものと考えられる。
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