話題
モントリオールの学者—Herbert H.Jasper先生の横顔
小山 生子
1
Ikuko Koyama
1
1東京女子医科大学生理学教室
pp.410-413
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903280
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1967年から数年間,アミノ酸の遊離に関する仕事を私は,Herbert H. Jasper教授と共にする機会を得た。それより数年前,教授はMontreal Neurological InstituteからUniversité de Montréalの生理学教室に招聘されて移り,神経研究班(Centre de Recherche en Sciences Neurologiques)の主任として活躍されていたのである。この研究班は,神経生理学に,Jean PierreCordeau,H. H. Jasper,Yves Lamarre,神経化学に,Nico M. van Gelder,神経薬理学に,Jacques de Champlain,Laurent Descarries,神経解剖学にJacquesCourvill,Anne-Marie Mouren Mathieu,生物物理学にJean Piere Raynauld,生物医学にFernand A. Robergeなど若い研究者を集めた当時としては,規模の大きなものであった。
Jasper教授はネコの大脳皮質からアセチルコリンおよびアミノ酸の遊離を測定し,覚醒時と睡眠時で,どのような差があるかを調べようとされた。中脳網様体を電気刺激し,覚醒を起し,その間に洗い流された皮質からの灌流液を分析しようというのであった1,2)。
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