グラフ
新しい事業所病院—東洋工業KK付属病院
pp.2-4
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904383
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今月は、事業所病院として超デラックスと評判をとっている東洋工業KK付属病院をご紹介します。
この取材にあたって,院長である森田専一氏のお話はたいへん意味深く感じられました。一般にこうした豪華な病院を建てられるのは,その企業体が成長会社である、もうかっているからだ,とかんたんに考えられがちですが,そうではない。病院設立計画の10年前は、従業員1500人,そのうち120人の結核患者が発見された。そこで健康管理につとめたところ10年後には従業員1万5千人にふえたのに,結核はわずか24人。一人の社員が結核になると会社の損害は年100万円にあたり,計算すると10年で9億6千万円になる。そこを思えばこの9億円くらいの病院はりっぱな防波堤になるのです。
そして毎年赤字だそうですが,結核による会社損害からみれば大海の粟粒にすぎないとか。この考え方を.地域や国に拡大して為政者に聞かせたいものです。
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