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KKR高松病院は,四国の香川県高松市にあります.病院は高松市の中心部に位置し,県庁,市役所まで徒歩数分の距離にあります.赴任して5年以上経過しますが,「なぜKKRなのか?」とよく聞かれます.私も赴任以前には,KKRは時にホテル・病院の名前で聞いていたものの,何の略か知りませんでした.英語表記では,国家公務員共済組合連合会はFederation of National Public Service Personnel Mutual Aid Associationsとなりまったく違っていました.調べたところ,単にローマ字で書いたときのKokka-komuin Kyosaikumiai Rengokaiの頭文字をとったものでした(日本放送協会の略がNHKであるのと同じ).KKRは24か所の直営病院(戦後設立)と,10か所の管理医療施設(戦前の海軍共済組合が設立した病院が母体)を運営しており,高松病院は戦後作られた直営病院にあたり,昭和26年に開院しました.翌27年に30床の入院施設を持つ病院となりました.その後,戦後の地域医療の向上・結核患者の治療を目標に増床を進め,昭和38年には209床(結核病床53床含む)になりました.平成10年に敷地面積を広げたうえで全面改築を行い,今の形になっています.現在,一般病床179床の急性期病院として地域医療に取り組んでおり,15診療科(総合内科,血液内科,神経内科,循環器内科,リウマチ科,呼吸器内科,アレルギー科,消化器内科,糖尿病内分泌内科,腎臓内科,消化器外科,呼吸器外科,泌尿器科,麻酔科,眼科)で診療を行っています.
当院の外科の病床数は40床で,医師は消化器外科3名,呼吸器外科1名,一般外科1名の5名です.写真は,外科研修医2名と撮影したものです(筆者は前列左から2番目).平成27年6月から呼吸器外科の先生が新しく赴任し呼吸器外科が新設されました.昨年度の手術総数は消化器,一般外科および呼吸器外科で371件でした.対象疾患はヘルニア,胆石,膵癌,肝癌,胃癌,大腸癌,肺癌,気胸など幅広く行っております.腹腔鏡・胸腔鏡手術も幅広く行っています.市の中央部だけに急性腹症などを含む救急患者の搬送も多く,積極的に受け入れ治療を行っております.外科受診となった緊急搬送患者は他県の市中病院と変わらず穿孔性腹膜炎,急性虫垂炎,腸閉塞が多くみられます.ただ,他県と異なることは受診時の検査において,香川県では腹部CTで胃のなかにうどんが結構な頻度で描出されることです.MDCTでは高解像度のため,四角い断面で細長いうどんの構造をはっきりみることがあります.うどんは恐らく画像診断でわかる唯一の料理だと思います.気のせいかもしれませんが,MDCTで描出される胃のなかの讃岐うどんは,腰があるためか他県に比べてより角ばり,より長いようにみえます.患者さんに,「うどんを食べて来ました?」と聞くと必ず驚かれます.
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