特集 自由討議—その必要性と現状
自由討議に選ぶテーマと問題の検討
山口 きよ
1
,
大岩 千賀子
1
,
吉川 正子
1
,
手島 佑子
1
1厚生年金病院大阪高等看護学院
pp.14-17
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904369
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=学習意欲が足りない。少し素直すぎるのではないだろうか?=
積極的な自分で考える学生を育てたい
時代の波に対処し,常に向上しようとする生き生きした人間に育って欲しい。
教職という職務ゆえにか,ぶつぶついいながらも結局は現状に甘んじてゆく学生たちの姿をみると,なんとかしてやらねばならぬと,ただ気ばかりせき立てられる思いがする。だが現実,われわれの願いはあまりにもしばしば挫折せざるを得ない。このような挫折の積み重なりが—この習慣が,あるいは学生たちから自主的な学習意欲を奪い,自から考えようとすることを忘れさせ「おとなしい素直な看護学生」へと押し込めて行ったのではないだろうか。学生たちをこのような姿へと押し込めて行った原因は,もちろん,社会にも,学生自体にもあると思う。また看護学校(院)の特殊性(学科課程,学科内容,環境の急変,学生数)ということにもよるであろう。がしかし,このような問題の多い特殊な学校(院)でありながら,学生たちが自から学び,問題点を認識し,それに自から対処してゆく「習慣」と「力」を養うための配慮が,学校側としても少なすぎたとは云えないだろうか。これがもし事実とすれば,これはやはり考えなければならない重大な問題だと思う。
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