社会の窓
ソ連核実験再開のあたえたもの
野口 肇
pp.612-613
発行日 1961年12月1日
Published Date 1961/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904113
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8月31日,ソ連政府は突如,核兵器爆発の実験再開を声明し,その直後から一カ月にわたり一連の実験をやってのけました。10月末には問題の50メガトン級を爆発させ,フルシチョフ首相は,これが科学者の計算ちがいてじつは50メガトン以上だった事実を公然と発表しています。
もともとご承知のとおり,ここ数年,ソ連はみずから一方的に核実験をやめ,米英など保有国の同調をもとめ,ジユネーブで3年越しに核実験停止会議が断絶しながらつづいていたのです。それがまったく思いがけなく,大型実験を開始し,また太平洋のどまんなかにロケットを打ちこむ実験まで同時におこないました。
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