特集 看護教育をとりまくこの1年の動き
看護婦教育統合への道のり―この1年の動き
岡谷 恵子
1
1日本看護協会
pp.1039-1040
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903823
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平成8年12月20日に,看護界にとってはまさに半世紀にわたる懸案であった准看護婦問題に決着をつける足がかりとなる重要な報告書が,准看護婦問題調査検討会によって提出された.准看護婦問題調査検討会は,平成7年10月に設けられ,「准看護婦養成所の客観的な実態把握とそれに基づく検討を行ない,准看護婦の養成のあり方等をめぐる長年の議論に終止符を打つことを目的としたもの」であった.この検討会では,准看護婦の就業および准看護婦教育に関する,大規模かつ綿密な実態調査を実施した.その調査結果に基づいて,検討会は准看護婦養成問題の解決の道として,「関係者の努力により,現行の准看護婦養成課程の内容を看護婦養成課程の内容に達するまでに改善し,21世紀の初頭の早い段階を目途に,看護婦養成制度の統合に努める」ことを検討会委員の全員一致で提言した.この報告書は,准看護婦養成停止の方向を示す画期的なものとして,各層関係者,および社会から評価を得た.
ところが,日本医師会は准看護婦問題調査検討会報告書に合意したにもかかわらず,1年間かけて,かかりつけ医の補助者として地域ケアを担う看護職として,准看護婦を位置づけ,准看護婦養成の必要性を強く主張し,合わせて准看護婦制度の堅持を明言し,実質的に先の検討会報告書を反故にするような態度を示した.
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