特集 知識と実践を結ぶ看護過程セミナー
はじめに
住吉 蝶子
1
1札幌医科大学保健医療学部
pp.630-631
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902561
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- 文献概要
10年以上前のこと,私が,まだアメリカで第一線の看護婦として働いていた時に日本に来て,たくさんの看護者と話をする機会がありました.ほとんどが教育職のポジションにある方で,看護教育や臨床の場で看護理論を必死に展開しようとされていました.しかし,その熱意は素晴らしいのですが,それほどには結果が見えていないように私には感じられました.それぞれの病院,看護部で看護理論を取り入れて展開しようとしても,取り入れ方がわからず,混乱している方たちのほうが多いのではないかと思いました.
学んだ看護理論は,いつか患者のベッドサイドで展開するところまでもっていかなければなりません.そのために必要なのが看護過程という道具なのです.私は米国でそれをとことん指導されていました.日本ではこの看護過程が浸透していないと,その時思いました.看護教育で看護過程を学んでも,それと看護理論とが結びつくまでには至っていなかったのです.
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