特集 援助とは何か
実習というドラマ
吉田 みつ子
1
,
小宮 敬子
1
1日本赤十字看護大学
pp.180-188
発行日 2001年3月25日
Published Date 2001/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902461
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
学生は,実習のなかで一体どのような体験をし,何を学んでいるのだろうか.自分たちもかつては学生として実習を体験したはずなのだが,指導する立場になると,改めてこんな疑問が頭をもたげてくる.
これは,そもそも実習指導とは一体何をすることなのだろうか,といった問いにつらなる.もちろん,それぞれの実習ごとに明文化された実習目標や目的があり,それを達成するのが指導であるのは言うまでもない.とはいえ私たちは,実習には,そうした目標や目的の文言のなかには収まりきらない,それぞれの学生に固有の体験やドラマがあることを知っている.それは,実習の場でさまざまな人とかかわりあうなかで生まれてくるものである.学生の個別的で内面的な体験は,看護を学んでいくプロセスと,どこでどうつながるのだろうか.そのプロセスを支える指導とはどのようなものだろうか.そんなことを考えてみたいと思った.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.