特集 医療倫理を学ぶ―21世紀における看護者の教育
第4部 医療をとりまく社会の変化
基礎教育・卒後教育の問題としてみた看護の現場と看護過誤
野村 明美
1
1横浜市立大学看護短期大学部
pp.982-985
発行日 2000年11月30日
Published Date 2000/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902398
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はじめに
1999年1月11日,横浜市立大学医学部附属病院で発生した「手術患者取り違え事故」は,全国の医療機関および国民に衝撃を与えた.この「手術患者取り違え事故」の調査は,大学に事務局をおかない外部委員を入れた事故調査委員会によってなされ,2か月あまりあとの同年3月23日に報告書1)が出された.
報告書は事故の経過・原因および対応策などを調査・分析し,事故再発防止に向けた提言がなされ,公開された.また,同年2月に設置された厚生省の「患者誤認事故防止方策に関する検討会」も5月12日に報告書2)をまとめた.これら報告書をはじめとして,「手術患者取り違え事故」を契機にわが国の医療事故防止対策研究が本格的に始動したと考えることができる.
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