特集 国家試験対策―わが校はこうしている
学んだ知識を統合して身につけるために―実習の評価をカリキュラムにフィードバックする
林正 健二
1
1山梨県立看護短期大学
pp.21-24
発行日 1998年1月25日
Published Date 1998/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901759
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はじめに
「国家試験は目的ではなく,結果にすぎない」.これは,1980(昭和55)年7月,私が筑波大学臨床医学系に赴任して初めての挨拶に行った時,副学群長の堀原一教授から聞いた言葉です.わかりやすく言えば,「(医師)国家試験は(筑波大学医学専門学群)の(教育)目的ではなく,(教育の)結果にすぎない」となります.7月末には新しく赴任した教員31名を対象として,1泊2日の「医学教育の筑波方式に関するワークショップ」が行われました.その席で,教育目標とカリキュラムの概要,教育原理,統合カリキュラムの構成と問題点,教育評価といった類を生まれて初めて学びました.これだけの準備をして教育したから,国家試験の高い合格率が生まれたのだということが赴任したばかりの私にも理解できました.
一県一医大という政策により新設された医大が卒業生を送り出す時,医師国家試験の合格率は特に注目を集めていました.1980(昭和55)年4月,初めての卒業生が受験した医師国家試験で,筑波大学は極めて優秀な成績をおさめていたのです.
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