連載 公衆衛生学 見方を変えたら・4
オゾン層の破壊
清水 英佑
1
1東京慈恵会医科大学環境保健医学教室
pp.547
発行日 1997年7月25日
Published Date 1997/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901650
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「オゾンホール」という一般の人には馴染みのない言葉が1985年,突如新聞を賑わした.気象衛星から観測すると,南極上空のオゾン層が薄くなって穴があいている,とアメリカの環境庁が報告したからである.
そもそもオゾン層とは地上20km付近に最大濃度を持つ12~50kmの大気層で,太陽から降り注ぐ人体に有害な波長の紫外線を吸収する作用を持つ.ところがこの大気層に穴があいたということである.実際には穴というよりオゾン層が薄くなったといった方が正解であろうが,その原因はフロンおよび類似化合物であった.
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