緊急特集 准看護婦問題調査検討会報告書を読んで
報告書が明らかにしたもの―「准看護婦問題調査」の企画・実施・解析に加わって
似田貝 香門
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1東京大学大学院人文社会系研究科
pp.195-197
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901577
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「検討会調査」の計画・実施
今回の「准看護婦問題検討会」での私の役割は,先の「少子・高齢社会看護問題検討会」での「早急に関係者や国民の意思等を調査し,准看護婦(士)のあり方の結論を得る」という提言のなかの,准看護婦問題の調査を企画・実施・解析することであった.これまで長らく准看護婦問題をめぐる争点となっていたテーマや事象について可能な限り調査したこの調査は,率直にいってきわめて短期間でよくここまで出来たものと思う.
この調査を厚生省から引き受けるとき,1つだけ確認した.それは,将来の看護職の需給動向をさまざまのデータから確実に推論可能な状態にして,予測をしてほしい,ということである.つまりいかなる精密な実態調査がこれから行われようと,「看護職が不足している」という状況では,「検討会」の主たる議論は,そちらへ流れてしまう.せっかくの調査がほとんど関心をもたれなくなってしまうという心配があったからである.この看護職需給予測の検討は,「検討会」で最初と最後,2度にわたって行われ,「検討会調査」と関係なく議論された.討論と審議の方法としてたいへん良かったと思う.
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