看護のリーダーに対するメントー制度―あるアメリカ人からの提言

　人生には時に大きな挑戦が必要である．私が昨年，アメリカから日本の新設大学に招聘された時がそうであった．日本では1990年代になって急速に看護系大学の設置が進み，私が招かれた大学もその1つであった．教員や管理職に人材が求められていた．ところが，新設大学の看護学部長／学科長および教員の殆どは，4年制大学教育の経験に乏しい人たちである．にもかかわらず，そこでは教員，中でも管理職の教員が先輩から支援を受けるシステムができていないように見受けられた．指導者が試行錯誤的に管理能力を身につけるというのは，今日では不十分かつ不必要なことである．アメリカで行われているメントー制度を日本でも取り入れることは一考に値すると考える．