連載 晴れたらいいね!2足のわらじの自分予報・6
流す涙のその理由は
荒尾 晴惠
1
1千葉大学看護学部
pp.136
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901319
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懐かしの教育実習
先日看護学校の授業に行った際,教務室に入ろうとしたら,入口付近に妙に緊張した数人の女性が立っていました,胸につけた名札から,その人たちは教育実習生であることがわかったのですが,彼女たちを見て,ふと10年前の教育実習を思い出し,そういえばあの時は私もあんなふうに緊張していたなと懐かしく思いました.教育実習を経験した教員の皆さんなら,それぞれに苦労した思い出があるのではないでしようか?
例にもれず,私の場合も超ハードな4週間の実習でした.始めの2週間は臨床実習指導案を作成しての臨床実習指導,次の2週間は基礎看護技術の講義指導案と学内実習指導案を作成して実施する,というものでした.教育実習の前に,指導案作成に関するグループワークや個人作業を行なっていたとはいえ,実習先の教育課程の全体像を把握し,自分の担当している部分の位置づけを知るのに時間がかかり,また学生のレデイネスを知るにもひと苦労でした.加えて,臨床実習指導は初めての病院,病棟なので,自分自身がそこで行なわれている治療や看護について学習する時間も必要でしたから,この時ほど「どうして1日は24時間しかないのだろう」と強く感じたことはありませんでした.
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