特別寄稿
兵庫県立看護大学開学の背景とカリキュラム構築の概要
服部 朝子
1
,
近澤 範子
1
,
南 裕子
1
1兵庫県立看護大学
pp.130-138
発行日 1994年2月25日
Published Date 1994/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900787
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はじめに
1993(平成5)年4月,全国で,学部・学科増設を含む7つの看護系大学が創設された.1952年に高知女子大学に,わが国初の看護学科が設置されて以来,長らく10校台にとどまっていた4年制の看護教育課程は,ここに来て一挙に20校台に上ることになった.看護系大学が増設されている背景には,日本の看護界が看護教育の大学化への必要性を,社会に対して熱心に働きかけてきた熱意があったことは言を待たないが,今一つ,1990(平成2)年10月に出された大学審議会の部会報告が,大きな要因となっている.
この報告では,大学(学部)教育の質的充実が唱えられ,教育内容に関する制度的枠組みの大幅な簡素化,自己点検・評価システムの導入および生涯学習に対応して制度の整備等が示された.また,1993年以降の18歳人口の急減に備え,今後の高等教育の規模や大学等の地域配置および専門分野構成についての考え方も示された.ここでは医師歯科医師,教員,船舶職員,獣医師は概ね必要とされる整備は達成されており,その拡充は予定しないが,看護職員についてはなお整備を図る必要があることが明記されていた1).
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