特集 医療の多様化とPOS―第15回日本POS医療学会報告
一般演題
看護学生と医療チームが情報を共有することの重要性―心気的傾向のある老人女性癌患者のPOMRのS情報の分析を通して
小林 栄子
1
,
杉山 ヤイ
2
,
渡辺 京子
2
,
山形 文子
2
,
磯山 ますえ
2
1茨城県立中央看護専門学院
2茨城県立中央病院
pp.1042-1045
発行日 1993年11月30日
Published Date 1993/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900740
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はじめに
筆者らが実習指導を担当する病棟では,問題志向型医療記録(以下POMRと略,問題志向型看護記録を含む)を採用し,医師と看護婦が同一のカルテを使用している.しかし,看護学生が受け持つ患者の情報は,医療チームに十分反映されているとは言えない.
筆者らの臨床指導の経験では,学生と医療チームの主観的情報(以下S情報)には質的な違いがしばしば生じる.しかし,それがどのように違うのか,その違いは何を意味しているのか明確にしたことはなかった.今回,学生の受持ち患者のS情報を分析したところ,学生と医療チーム主として看護チームのS情報の違いを実証的に捉えることが出来た.さらにその意味,違いの生じた理由を検討し,情報を共有することの重要性を再認識できたので報告する.
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