Japanese
English
短報
インターネットの医療情報から増悪を繰り返した心気障害の1例
A Case of Hypochondriacal Disorder Aggravated Repeatedly by Health Information on the Internet
熊谷 亮
1,2
,
田島 裕子
2
,
阿部 美香
3
,
宮川 晃一
2
,
新井 平伊
4
Ryo KUMAGAI
1,2
,
Yuko TAJIMA
2
,
Mika ABE
3
,
Koichi MIYAKAWA
2
,
Heii ARAI
4
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
2順天堂大学医学部附属浦安病院メンタルクリニック
3順天堂大学医療看護学部
4順天堂大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Tokyo, Japan
2Department of Psychiatry, Juntendo University Urayasu Hospital
3Juntendo University Faculty of Health Care and Nursing
4Department of Psychiatry, Juntendo University Faculty of Medicine
キーワード:
Hypochondriacal disorder
,
Cyberchondria
,
Health information
,
Internet
Keyword:
Hypochondriacal disorder
,
Cyberchondria
,
Health information
,
Internet
pp.39-42
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102634
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抄録
症例は34歳,男性。動悸や痺れなどの自覚症状についてインターネットで調べるうちに,自身が難病であるという考えにとらわれるようになり,著しい不安・焦燥を呈し自殺企図に至った。治療により精神症状はいったん改善したものの,体部白癬による皮疹の出現に伴いインターネット検索への傾倒と不安・焦燥が再燃した。近年,インターネットで医療情報を検索することで健康への不安や心気症状が悪化する現象がcyberchondriaとよばれるようになり,問題視されてきている。本症例では不安から情報要求が高まりcyberchondriaの状態になったことに加え,心気障害の患者に生じる孤独感がインターネットの過度な利用を生じさせ,さらに病状を悪化させたと考えられた。
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