特集 魅力ある講義を
医療や人体など身近な現象から物理学を学ばせる―伝統的物理学から新しい看護物理学を目指して
佐藤 和艮
1
1愛知県立看護短期大学
pp.468-473
発行日 1990年8月25日
Published Date 1990/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900078
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看護学生とともに23年間
筆者が看護短大の物理教育に携わって23年間になります.学生の超不得意科目ということで,どのような講義をすれば興味を持って授業についてきてくれるのか,看護学生にとっで学びがいのある物理学とは何か,いろいろと苦労もし試行錯誤を重ねてきました.その中で何よりも「将来あるいは間もなく,自分が患者として学生諸君から看護を受けるとき,こんなセンスで看護をしてほしい.こんな看護婦であってほしい.そのためにはこう育っていってほしい」という気持ちで学生に接してきました.
結局,看護教育の中での物理学は,伝統的一般物理学を教えるのではなく,新しい『看護物理学』を目指した開拓の仕事であったように思います.現在では,医療や人体など身近な物理現象にテーマをとりながら,「自然を深くみる目,自分で問題点をみつけ考えようとする姿勢,物理的に解釈するセンスを養う」ことを主眼において講義を行なっています.
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