実践報告
新生児ICU・小児ICUを活用した小児看護学実習の実際
辻 朋子
1
1北里大学看護学部
pp.618-621
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202158
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はじめに
多くの看護師養成機関では、近年の少子化、在院日数の短縮、小児病棟数の減少や混合病棟化、看護系大学の増加などから実習施設が不足するなかで、小児病棟以外にも多様な場所を使用した実習が行われている現状がある1)。北里大学看護学部(以下、本学)の小児看護学実習においても、小児病棟以外にも新生児ICU/新生児回復室・小児ICU(以下、NICU/GCU・PICU)を活用し、1グループ10名程度の学生がそれぞれ1名の子どもを受け持ち看護展開するという内容で1週間の病棟実習を行っている。
NICUでの小児看護学実習の報告の多くは、半日〜1日程度の見学実習やバイタルサイン測定・清拭など一部の技術を実施する実習内容であり1)、1名の子どもを受け持ち看護展開する内容の実習は稀と考えられる。また、PICUでの小児看護学実習の報告は見当たらない。これらの理由として、NICUは環境の特殊性により実習方法を限局せざるを得ないこと2)、看護基礎課程での学修を超えた発展的な内容が多いこと3)、専門的で高度な技術を必要とする特殊な環境に対する学生の緊張や不安が強いこと4)などが挙げられる。PICUについても同様の理由が当てはまると推測する。
本稿では、本学の小児看護学実習のうち、NICU/GCU・PICUを活用した実習に焦点を当て報告する。
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