特集 教育機関と医療機関の協働による「これからの実習」
コロナ禍で直面した臨地実習の課題―神戸大学医学部附属病院のオンライン実習対応と模擬カルテシステム構築
ウィリアムソン 彰子
1
1神戸大学医学部附属病院看護部
pp.1092-1099
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201860
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新型コロナ感染拡大が臨地実習に与えた影響
2020年4月8日、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大による緊急事態宣言が全国に発令されました。神戸大学医学部附属病院(以下、当院)では、4月10日に患者家族も含む「面会禁止」および、診療目的以外での職員の立ち入りも禁止となりました。この状態がいつまで続くのかは誰にもわからない状況でしたが、私は「6月に控えていた看護実習までに立ち入りが許可されることはないだろう」という予測を立てました。そこで、4月12日、実習を予定していた教育機関に電話連絡を入れて、臨地には立ち入りができないけれども、協力ができることは何かをお尋ねしました。
学生が自宅待機となるなかで、先生方も前期の授業がどうなるかも定かではなく混乱していましたが、いずれの施設も「臨地実習はいつ頃に再開できそうか?」ということを真っ先に尋ねられました。それは私にもわかりませんでしたが、仮に年度中で再開することがあったとしても、時期が過ぎた実習を再度入れるスケジュールの空きはありません。そのことを教員に説明し、延期という想定はせずに、臨床から対応できることがあれば対応したい旨をお伝えしました。
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