実践報告
Virtual Realityを活用した看護教育―患者の危機的状況を体験しよう・想像しよう
杉 達郎
1
1相模原看護専門学校
pp.162-165
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201668
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新型コロナウイルス感染症の流行による学習環境の制限
新型コロナウイルス感染症の流行により、各看護大学・専門学校における臨地実習は困難となっている。臨地実習は学内、もしくは各施設の状況に応じて短縮した日程で行われている状況にある。臨地実習は患者とのかかわりをとおして、患者の痛みや苦悩を感じとり、どのような看護が提供できるのかを学習する重要な場として機能している。そのような貴重な学習を制限しなければならない状況にあり、各校が新たな教育のあり方を模索していることと考えられる。
筆者は相模原看護専門学校で「成人急性期援助論Ⅰ」を担当しており、この授業で学生は成人看護学領域における「生命の危機的状況にある患者の看護」を学ぶ。筆者は本授業において、「対象のニーズに気づける看護師になってほしい」という願いをもち、学生指導にあたっている。しかし「生命の危機的状況」といっても、学生の年齢でそのような体験をしていることは稀有であり、当然イメージすることは難しい。また新型コロナウイルスの流行下において、ICU・HCUといった重症な患者と実習でかかわる機会をもつことは一層難しい状況である。そのような状況下においても、生命の危機的状況にある患者に寄り添える看護とは何かを考えられる授業を模索していた。
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