連載 理学療法士が知っておきたいヘルスケア産業・1【新連載】
Virtual realityを利用した理学療法
原 正彦
1,2
1島根大学地域包括ケア教育研究センター
2株式会社mediVR
pp.90
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201778
- オープンアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
理学療法士の未来が変わる.そんなことを感じさせる医療機器が登場した.仮想現実(virtual reality:VR)技術を応用して歩行に必要な姿勢バランスと二重課題型の認知処理能力を定量的に可視化し,セラピストがより適切に治療介入を行えるようにしたリハビリテーション用医療機器「mediVRカグラ」の導入施設が増えている.
mediVRカグラは,座位で行うトレーニングで歩行機能が改善することが最大の特徴で,一見するとごく一般的なVRゲームのようにしか見えないが,その開発に神経内科医や理学療法士,作業療法士が深く関与している点が既存のVR製品とは明確に異なる.その結果はまさに目を見張る効果であり,姿勢バランス制御系の脳内モデルの再構築だけでなく,これまで改善が難しかった注意障害を中心とした認知機能をも劇的に改善させるという報告が相次いでいる.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.