特集 身体拘束から考える 基礎教育と臨床の関係
扉
pp.433
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200993
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基礎教育と臨床教育のギャップは,看護教育において長く議論のテーマとされてきました。臨床では,学校で習ったことは通用しない。現場での新人は何もできない,というイメージが形成されている場合すらあります。学校でいくらケアの理念や看護の基本を習ったとしても,就職後は,現場の慣習,仕事の仕方を身につけることが優先される,という関係です。
今,基礎教育と臨床のそのような大きな溝を象徴しているのが,身体拘束ではないでしょうか。身体拘束はケアの理念に反するために,基礎教育で学ぶべき内容とは位置づけられていません。一方,臨床現場においては,多くの病院で身体拘束を最小限にしていこうとする努力がされながらも,それぞれの領域の特性,また病院の慣習に従って,まだまだ拘束がなされている現状があります。この現状の違いは,身体拘束を「教わっていない」学生や新人看護師にとっては,リアリティショックの大きな要因とも言われています。
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