特集 問題解決志向に疲れたら……
扉
pp.257
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200953
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1980年以降,看護は問題解決思考を基盤にした看護過程によって大きく発展を遂げてきました。問題解決能力の向上とは,迅速な判断,高度な専門性,強い思考力を求めるものです。確かに,科学の進展とは,こうした側面ももつでしょう。そして看護には,問題解決を優先する,問題解決志向と呼べる文化が醸成されてきました。
しかし,特に近年,精神科看護や慢性期看護など,疾患をかかえたまま生きていく患者を支える領域から,ネガティブケイパビリティ,ストレングスモデル,当事者研究など,問題解決だけではとらえきれないケアの諸相が描かれるようになっています。そうしたケアは,看護師などの医療者が,患者の問題を解決しようとする前提となる発想自体への深い問いかけが秘められています。
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