特集 思考にきく発問
扉
pp.253
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200717
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「発問」は,看護教員養成講習会などでは頻出のテーマですし,教育のうえで重要だ,と認識されていることかと思います。先生方は,学んでほしいことを伝えるために,日々発問を工夫,実践されているのでしょう。とはいえ,教員の思い通りにはいかないのが世の常。学んでほしいことはたくさんあるのに,どのように発問すれば自分の思う教育ができるのか,発問のハウツーはないのか,という悩みのお声も多く耳にします。看護基礎教育は,専門職養成であり,国家試験もあることから,教員が「教えなくてはいけない」と思っている内容が過密です。発問をして返事が早くほしいのに,なかなか学生たちから反応がこないとなると,発問の方法が間違っているのではないか,と不安にもなります。
しかし,もしかすると,こうした悩みは「発問」についての誤解が原因になっているのかもしれません。発問は,教員が教えたいことを伝えるツールではなく,「学生の思考力」を養うためのもの。主役はあくまで学生の思考です。講義や演習,実習と,それぞれの場面で,それぞれの学生が何を考えているか,その思考を注意深く聞き,発問をすることが,学生のそれからの思考にも効いてくる,と考えます。
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