連載 ひろがる災害医療と看護 身につけるべき知識とスキル・6(特別編)
フィリピン共和国における台風被害に対する国際緊急援助隊医療チームの活動
髙村 ゆ希
1
1上智大学総合人間科学研究科看護学専攻修士課程
pp.242-247
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102653
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はじめに
フィリピン共和国(以下,フィリピン)で2013年11月8日に発生した台風30号(国際名Haiyan,フィリピン名Yolanda)は最大風速87.5m/s,瞬間最大風速105m/sという大きな勢力をもってフィリピン中部を通過し,レイテ島を中心に広範囲に甚大な被害をもたらした(写真1,2)。
この台風被害に対しフィリピン政府は日本政府に医療チームの派遣を要請し,国際緊急援助隊(Japan Disaster Relief Team : JDR)医療チーム(以下,JDR医療チーム)の派遣が決定された。1次隊の派遣期間は同年11月11日から11月24日までの2週間であり,出発時のチーム構成は団長1名,副団長2名(うち1名医師),医師3名,看護師7名,薬剤師2名,医療調整員5名,業務調整員5名の計25名であった。今回,このチームでチーフナースという立場で派遣されることになった。
そこで,この活動をチーフナースの視点から概観し,途上国における災害支援の実際,経験からの学びや感じたこと,また今後の災害看護における課題について述べる。
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