特集 基礎看護学を再構成する・2 看護の「基礎」を教えるとは?
―臨床現場から振り返る「基礎看護学」―コミュニケーション技術と環境調整に対する思いの変遷
市川 陽子
1
1岡崎市民病院
pp.108-112
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102310
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初めて接した基礎看護学の印象
初めて基礎看護学の授業を受けたとき,私はとてもワクワクした気持ちであったことを,今でも覚えています。昔から憧れていた看護師を目指して専門学校に入学し,これから学ぶすべての基礎となる基礎看護学とはどのようなものなのか興味津々でした。
当時の私は,授業を受けるまでは,基礎看護学を単に「看護の基礎」という漠然なものであるとしかとらえていませんでした。しかし,実際に学んでみると,食事・排泄・清潔等の生活援助に関わることだけでなく,人間関係を築くために欠かすことのできないコミュニケーション技術や病床の環境調整等,人間が生きていくうえで必要な幅広い分野を含んでいることがわかりました。そして,基礎看護学に対する印象は漠然としたものから「奥が深く難しい」となったのです。
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