特集 基礎看護学を再構成する・2 看護の「基礎」を教えるとは?
基礎看護学担当教員が「本当」にやらなければならないこと―看護技術教育の重視を!
水澤 晴代
1
1東京都立荏原看護専門学校
pp.90-94
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102307
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はじめに
看護基礎教育における看護実践能力の向上を図ることを目的として,2009(平成21)年から新カリキュラムが開始され,新たに「統合科目」が設置されたと共に,基礎看護学が専門科目Iと位置づけられた(図)。専門基礎(形態機能学),専門I(基礎看護学),専門II(各領域:成人・老年・小児・母性・精神の看護学)と,新たな統合科目とつながりのある展開が求められ,より一層領域間の連携・協働体制が重要となる。
厚生労働省から「『看護師等養成所の運営に関する指導要領について』の一部改正について」が通知され(2011(平成23)年3月29日)1),看護師教育の内容と方法のなかで,「看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標」がはじめて明示された。また,これらの看護師に求められる実践能力を育成させるための教育方法について,講義・演習・実習の効果的な学習指導が重要であるとも提言されている。この意味を,学校の現場で考えるならば,看護教員が密接に連携・協力しながら効果的に学習指導をすべきということであろう。
新カリキュラムの効果的な運営のためには,限られた時間で実践力を育てられるよう,(1)教育内容の精選と教育方法の工夫が不可欠であり,(2)看護教員の能力の向上が求められる。特に,各領域の看護学の土台となる基礎看護学担当者(以下,基礎看護教員)は,卒業時の到達目標を見据えたうえで全体とのつながりを意識して,内容を精選し,教授方法を工夫していく必要がある。
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