特集 基礎看護学を再構成する・2 看護の「基礎」を教えるとは?
進学コースにおける「基礎看護」のとらえ方
藤田 京子
1
1蕨戸田市医師会看護専門学校
pp.95-101
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102308
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看護において何が前提条件か
今回のテーマである「基礎看護」について考えるにあたり,その前段階の『看護の基礎』となるのは何かと改めて自身に問い直してみたところ,その答えは,看護を職業にする人にとって何が最も大切なのかを考えなければ出てこないと思った。そして,自分の教育経験から,学生の初めての臨地実習である「基礎看護学実習」で指導するときに感じる,「看護職に必要な素養」がそれに当たるのではないかと考えた。
(1)患者様と誠実にコミュニケーションが図れる。
(2)「看護」をしようと一生懸命考えている。
(3)正直に報告ができる。
以上3つが,実習指導時,時系列でみたときの自分のなかでの最低条件であり,どれも一番といいたいほど大切な項目になっていることを実感した。これらの態度面に知識・技術が乗っかって,それぞれレベルは違っても,卒業時にこの3つの条件を満たした人を臨床に送りたいと願っている自分がいた。だから,必ずしも看護過程がきちんとでき,根拠をとうとうと述べられる人をと願っている訳ではないということである。もちろん,その力があるに越したことはないが。
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