連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・28
ハイリスクな大学院生活を乗り切って
喜吉 紘子
1,2
1カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)大学院博士課程
2UCSF大学病院
pp.718-719
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101858
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●【主な論文】「看護学生のテスト不安解消のための受診に対する健康観念の影響」から
今月号では,「不安」や「ストレス」という言葉が目立ちました。看護学生は確かに多大なストレスにさらされています。日本でも,看護学校での保健室の心理的サポートの必要性が見直されていると聞いています。看護だけでなく他の医療系の学生,また大学院生の精神面が不安定になるリスクは高いです。これには,いくつかの理由があると思います。看護を含め,医療系の学問はやはり人様の人生の大イベントに関わること……それもどちらかといえば辛いときに関わること。「ミスがないように」という緊張。「すべてを理解していない」という不安。長時間の不規則な実習などによる疲労が精神面に負担をかけます。また不規則な勤務から,友人や家族と連絡が取りにくかったりし,孤独感を味わうこともあるでしょう。
大学院生も,不安定になるリスクが大きいです。無事修了できる能力があるのか(常に)不安。また,周りの優秀な人をみても気持ちがあせります。ある大学院進学ガイドでは,大学院生活は身内の死の次に人生にとってストレスフルな出来事とありました。大学院留学を考えていた私は,大学院生活ではどんなことが待っているのかとまったく想像がつかなく,不安になりましたが,無知の幸いで勢いよく大学院に進学しました。
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