第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
30代の男子学生が志す終末期看護への道
伊豆田 順平
1
1甲賀看護専門学校
pp.630-631
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101835
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最近,30代の男子看護学生が増えていると聞く。そして恥ずかしながら僕もそのなかのひとりだ。もちろん看護の道を志していることを恥ずかしいと言っているのではなく,いい年をしたおっさんが学生で,しかも大多数の女子のなかに混じって気恥ずかしいという意味である。わが校にも30代の男子は数人だけど存在している。決して稀有な存在ではないけど,若い女学生の渦のなかにいて,本当に自分はここにいていいのかと不思議に思ってしまうことがある。きっといてもいいのだろうけど,それでも世間に申し訳ないと思ってしまう自分がいる。
僕自身は人間的に成長したいという気持ちをもって看護の世界に飛び込んだ。だが年齢を重ねて記憶力や体力が衰えてきているので,新しいものを吸収し成長していくことは容易なことではなかった。初めての実習で初めて患者さんと触れ合ったとき,基本的なコミュニケーションをとることでさえうまくできなかった。若い女子のクラスメイトが実習で日々成長していくなかで,僕は取り残されていた。
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