連載 教育と研究,臨床をつなぐメッセージ やっぱり私は,看護師だった!・4
記録に看護師としてのメッセージを
那須 あい
pp.311
発行日 2011年4月25日
Published Date 2011/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101736
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いわゆる7対1の導入後,外来の看護師配置が減らされ,今,私たちは,たった10人で,1日600人の患者に対応している。検査説明や処置のひとときの看護に心を込めるだけで手いっぱい。でも,継続的な関わりを要する患者を見逃したくはない。
そんなとき,病棟看護師の「サマリー」があるとほっとする。電子カルテをあちこち開かなくても,コンパクトに概要をつかめる。ところが,残念なことに,病棟から外来に伝えたいメッセージがほとんど読み取れない。例えば,がん末期でポートを挿入して退院した患者。病状もポート挿入の目的も今後の治療方針もわかる。でも,「ポート管理は妻が実施し問題なし」といった感じで,残された看護上の問題は「なし」。患者は病状進行への不安を抱えていないの? 妻は終末ケアへの準備ができている? 外来では,そんな深いケアはできないとあきらめられているのかしら。そんなことはないのに。数週間に一度の通院でも,点滴をかねて来院すれば,毎回2時間くらいは一緒に時間を過ごす。必要なら訪問看護師との連携だってするのに。
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