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医療事故防止に役立つ患者・家族のテーマポートフォリオの提言
灘 久代
1
1徳島文理大学保健福祉学部看護学科
pp.1089-1091
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101633
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はじめに
度重なる医療事故で,医学や看護の分野では,事例の分析や検討がなされ,再発防止への改善や対策が練られている。しかし,今なお医療事故が繰り返される背景には,患者が置き去りにされ,真の患者や家族が見えていない現場の状況があるのではないかと思われる。病気となり,家族や社会から切り離された患者は,今までとは全くの別世界で,孤独や不安,苦痛などを背負いながら闘病生活を送っている。そうした患者・家族の苦悩をさらに増大させる医療事故だが,患者・家族の思いや苦悩が少しでも見え,また理解することができれば,医療従事者の慎重な確認や対処を促し,医療事故防止や減少に繋がるのではないか,と考えた。
今回,当事者(家族)として看護過誤を経験した立場から,患者や家族への理解が深まり,事故発生防止への一助になると思われた「患者や家族のポートフォリオの作成とその活用方法」について提言することにした。
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