連載 看護の高等教育化と今後の課題・5
保健師助産師看護師法等の一部改正と大学における看護系人材養成の今後の課題
小山田 恭子
1
1文部科学省高等教育局医学教育課
pp.716-720
発行日 2010年8月25日
Published Date 2010/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101542
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はじめに
平成20年4月1日,5代目の看護教育専門官として着任した筆者は,同日付で改正された保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下,指定規則)に対応するための,所管する大学等の教育課程変更承認申請の事前相談に対応することとなった。相談そのものは3月から開始されており,3月,4月,5月の3期に分けて事前相談を受け,6月,7月,8月の3期に分けて申請書類を受け付けるスケジュールとなっていた。
大学166校に短期大学,大学院,大学病院附属専修学校を加え,230以上の教育課程の事前相談,変更承認審査の業務を実施したのだが,前任者が作成した数々のマニュアルに基づき,いくつかの課題を抱えながらも,全対象校が無事新カリキュラムに移行できた。
大変困難な業務であったが,この業務の最中に教員の方々を始めたくさんの大学関係者の話を直接うかがう機会を得て,はからずも,大学における看護系人材養成の現状と課題について幅広い知見を得ることができたことは幸運であった。
看護学教育においては,この指定規則改正を皮切りに,平成22年6月現在までにさまざまな制度改正,変革が行われ,未だ変革は進行中である(図)。本稿では,この動きの中で,文部科学省がどこに問題意識を持ち,どのように対応してきたのかを振り返ってみたい。
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