第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
論文部門
超高齢者患者のポータブル移乗における転倒防止―既設の滑り止めマットの機能を見直して
髙塚 裕之
1
1国立療養所長島愛生園附属看護学校
pp.720-724
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101274
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はじめに
今回私は,98歳の超高齢者患者A氏を受け持った。A氏は,起立性低血圧,うっ血性心不全があり,かつ腎性貧血で眩暈やふらつき,動悸といった症状を起居時や体動後に訴えられることがあった。また,ハンセン病後遺症により,両手指欠損に加えて両肘から末梢までの知覚麻痺があった。そのため,自力での移動時にバランスを崩しやすく転倒のリスクが高い。さらに,移動時に滑り止めマットがずれていることに気づき,A氏の安全を保つことができないと感じた。この環境整備で得た情報を基に,既設のマットに工夫を行い「ずれ」を解消できたので,ここに報告する。
写真撮影は,A氏に直接同意と許可を得て行った。また,A氏自身が写った写真は,フォトレタッチソフトでデータ加工することで,ご本人のプライバシーを遵守した。
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