特集 看護教員養成とは何か
看護教員養成講習会の意義―現任教育としての講習会の役割と課題
冨田 幸江
1
,
仙田 志津代
2
1埼玉医科大学保健医療学部看護学科
2つくば国際大学医療保健学部看護学科
pp.957-962
発行日 2007年11月25日
Published Date 2007/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100803
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はじめに
看護教育をめぐる環境は,医療技術の進歩,少子高齢化の進展などから生じる看護業務の複雑・多様化からくる実習の難しさ,国民の医療安全に関する意識が高まるなか,学生の看護技術の実習範囲や機会が限定されるなど,さまざまな問題を抱えている。
看護基礎教育では,これらの状況を受け止め,質の高い看護師を養成することが求められ,それを担当する看護教員自身も質的向上を図らなければならない。
現在,「看護教員養成講習会」(以下,講習会)は,各都道府県で厚生労働省に認定を受けた課程が開催されている。しかし,看護師養成所(2年および3年課程,22都道府県)の調査では,約600名の講習会未受講者の存在が報告されている1)。にもかかわらず,講習会の開催は年々減少し,中止を決めた県も少なくない。
看護教員養成の意義は養成にとどまらず,教員の現任教育の場として生涯にわたるものである2)。この意味からも,講習会の意義を確認しておくことは重要と考える。
筆者らはかつて,都道府県主催による看護教員養成講習会(1年間コース)を担当していた。その経験を踏まえ,本稿では講習会で行われている,成人教育としての教員の学びとその意味,さらに,講習会の開催・運営の課題について述べてみたい。
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