連載 スクリーンに見るユースカルチャー・6
楽しかった昔のできごと―『きょうのできごと a day on the planet』
小池 高史
1
1横浜国立大学大学院教育学研究科
pp.30
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100605
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私とだいたい同い年の人たちの日常と人間関係を映し出した映画だ。しかも,そのなかの一人の大学院進学と引越しを祝うために,彼の家に友人たちが集まって飲み会を開くというストーリーだから,境遇も似ているし,していることも似ている。親近感を覚えながら映画を観た。私たちもだいたいこんなものだ。
登場人物たちは,それぞれに個人的な問題を抱えていて,日常に不満もあるのだけれど,友人たちとそれを言い合えば,すべて小さな問題に思えてきて,また笑い合える。時間に追われていないから,思いつきで突拍子もない行動に出たりできる。朝方にいきなり蟹を食べに出かけたりだとか,打ち上げられた鯨を見に行ったりだとか。
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