連載 わがままな漫画・9
漫画の学校 ナースの学校
横谷 順子
pp.805
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100483
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漫画家志望の高校生に最近よく聞かれる。「漫画家になりたいので,漫画の専門学校に行きたいんですが,親は,大学へ行けと言うんです」と。漫画家にそう言えば「漫画の専門学校」をすすめてくれると思うのだろうか? けれど,たいていの漫画家は「専門学校より,大学へ行け」と答える。それはきっと漫画家が100人いたら100人ともそう答えるだろうほどだ。それほど,否定されてしまう学校の立場はいかがなものか?と思うけど,「漫画の学校」は増えているらしい。だいたい,「漫画の専門学校」という存在すら,漫画家には不思議なものなのだ。学校で教えてもらえて,本気で漫画家になれると思っているのだろうか?と。そんなものより,「大学受験」や「大学生活」という経験を積んだほうが100万倍,漫画家になるのに役に立つ。
現役ナースが,ナース志望の若者に「ナースになりたいんだけど」と相談を受ければ,「学校」で勉強することをすすめない人はいないだろう。漫画と違って,それは必須条件だから。だったら,タレントや,小説家だったらどう答えるのだろうか? 歌手や,タレント,ダンサーとかになるためのもやっぱり学校はあるし,小説や,シナリオライターのためにも,養成する学校はあるみたいだ。漫画家のように,その道のプロは,100人中100人が「専門学校なんかやめておけ」と答えるのだろうか? ちょっと知りたい。
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