特集 看護学生の論文 大賞・入選論文の発表
看護学生の論文22篇
保育園児の朝食欠食の実態から支援の方向を探る
下地 優子
1
1九州看護福祉大学看護福祉学部看護学科
pp.656-659
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100456
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はじめに
現在のわが国の食生活は豊かになり,飽食の時代とまで言われているが,その一方で,食生活における様々な問題が起こっている。池田ら1)は,食を含む生活習慣は親や周囲の環境の影響を受けて次第に形成されると考えられるので,生活習慣病の予防,健康の保持増進のための好ましい生活習慣は幼少時から心配りをすることが重要であると述べている。さらに,濱口ら2)は,子どもの食生活の大部分は,母親の手にゆだねられており,母親がどのような食習慣をしつけるかによって将来の健康状態を決めると言っても過言ではないと述べている。最近は,職業を持つ女性が増加し,加工食品・できあいのお惣菜などに慣れ親しんできた者たちが母親になる時代となり,食生活では簡便化を優先する傾向が見られる。
楠3)は,多忙な毎日を送っていると,どうしても夕食に比重がおかれ,朝食は軽視されがちだが,朝食を食べないと,エネルギー不足のために体を動かすことはもちろん,理解,判断,記憶にかかわる脳の機能代謝にも支障をきたす可能性が高いと述べている。特に,身体発育が盛んで多量のエネルギーや栄養素を必要とする子どもにとっての朝食は非常に重要だと考えられる。
そこで,子どもの食習慣において,特に朝食に注目し,実態から支援の方向を探る。
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