連載 都立看学の授業研究・1【新連載】
筋肉内注射の教授方法の検討―確認行動の定着をめざして
早坂 直子
1
,
佐藤 まゆみ
1
,
畑 涼子
2
,
岡本 清美
3
,
石坂 牧子
3
,
藤村 陽子
3
,
張堂 恵子
3
,
川村 千栄子
4
,
渡邉 京子
5
1荏原看護専門学校
2元荏原看護専門学校
3北多摩看護専門学校
4青梅看護専門学校
5南多摩看護専門学校
pp.828-832
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100374
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はじめに
都立看護専門学校における「授業研究」の基礎看護学領域に,6校から私たち9名の教員がメンバーとして集まった。看護実践能力の育成は,看護基礎教育の中で大きな課題とされている。その中でも特に,「身体侵襲を伴う技術」の「与薬」については患者の生命に危険を及ぼす技術であり,安全に提供するためには学内で確実に身につける必要があると考え,今年度のテーマとして選んだ。与薬の中でも難易度の高い注射について取り上げた。
注射の授業は,無菌操作での注射器と薬剤の取り扱いの習得と,薬液などの確認という安全行動の組み合わさる技術である。しかし,技術チェックや技術試験の状況を見ていると,注射技術そのものに視点がいきがちで,確認行動がおろそかになったり,もしくは形だけの確認行動になっている。これは従来の手順書を学生に作成させて学内実習時に手順書どおりに行う方法に問題があるのではないか,また,講義・演習の方法に問題があるのではないかと考えた。またテキスト1, 2)でも,確認行動は,確認のタイミングや項目は出ているが,確認の意味合いやそれぞれのタイミングで強調して確認すべき事柄については言及していない。
そこで今回,筋肉内注射を安全に実施するための確認行動を定着させるために,与薬における確認行動を明確にし,講義や演習での教授方法について検討し,その評価を行ったので報告する。なお,確認行動とは,眼で見て,指差し,声に出すことにより確かめる行動とした。
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